海外FX口座を使うデメリット 出金トラブルなど
これからFXを始めたいと考えている方のなかには、
海外業社を使ってやってみようかなと思っている方も少なくないと思います。
国内証券会社の場合、すべての証券会社がレバレッジは25倍までですが、
海外なら400倍や800倍など、少ない資金から大きなリターンをのぞめる
トレードができますからね。
1万通過のトレードをしたいと思った場合、国内証券会社ですと5万円は必要ですが、
海外業社なら1000円程度でできます。
その他にも、入金額に応じてボーナスが付与されたりと
メリットばかりが目立っていい事ずくめのように感じるかもしれませんが、
デメリットが無視できないほど大きいのでここで解説しておきたいと思います。
個人情報の扱いがいいかげん
私の経験上の話ですが、海外業者の口座を開設してから英文のメールが来るようになりました。
複数の海外業社で口座開設したのでどこの証券会社が原因なのか断定できませんが、
登録した覚えもない外国からのメールが来始めたタイミングが海外業者の口座を開設した
直後からなので、情報が漏れている(漏らしている?)のはまちがいないと思います。
今のところ、入金時に使った銀行口座が不正利用されたなどの金銭的な実害や、
不審な電話が来たといった直接的な迷惑行為はありませんが、少しでも不安な方
には海外業者を使うのはおすすめしません。
税率が高い、損失繰越ができない
これは海外FX業社の口座開設をするデメリットというよりは、取引きするデメリットですね。
国内の場合と分けて解説してみます。
国内業者の場合
- 分離課税でFXの税率は20.315%固定
国内業社を使ってFXをした場合は何億円稼ごうが税率は20.315%固定。
本業で仕事をしている場合、FXの収益とは別々の所得税率となります。
- 3年間損失繰り越しができる
FXの収支をマイナスのとき、確定申告でマイナス申告すると3年間繰り越すことができます。
例として、
1年目マイナス100万円
2年目マイナス100万円
3年目プラス200万円
この場合は税金がかからないということになります。
海外業者の場合
- 稼いだ金額によって納める税率が上がる総合課税
金額と税率は以下の6段階となります。
金額 | 税率 |
---|---|
195万円以下 | 15% |
195万円〜330万円以下 | 20% |
330万円〜695万円以下 | 30% |
695万円〜900万円以下 | 33% |
900万円〜1,800万円以下 | 43% |
1,800万円以上 | 50% |
- マイナス繰り越しができない
海外FX業者はマイナスで繰り越し控除がされません。
極端な例として、
1年目マイナス1000万円
2年目マイナス1000万円
3年目プラス100万円
3年間で2900万円マイナスですが、マイナス分は控除されず3年目のプラス100万円に15%の税金がかかります。
わかりやすく国内業者と比較するために極端な例をあげましたが、FX以外の収入がない場合で330万円以下なら国内業者と同じ範疇の税率だという見方もできます。
出金拒否の可能性も
私ではなく友人ですが、増やしたお金の出金を拒否されたそうです。
その業社は1人で複数の口座を作れるのがメリットなのですが、ゼロカットの有利性を活かして2口座で窓開け両建て(週末の相場クローズ間際にロングとショートをする)をしたところ、出金拒否+口座凍結になってしまったそうです。
ネット掲示板を見てみても、似たようなケースで出金拒否になったという方がいました。
規約をよく読んで取引きしていれば、出金拒否という極端な制裁が科せられることはないと思いますが、ここで注意してほしいのが「監督する機関がないこと」です。
国内業者の場合は金融庁が監督・指導しており、証券会社の行き過ぎた行為を取り締まってくれていますが、海外FX業社のほとんどは金融商品取引業に登録していないので現状は取り締まることができないようです。
参考 >> 無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください:金融庁
金融庁としては海外FX業社による日本国内での顧客獲得を禁止にしたい状況。
現在はイタチごっこの状態ですが威信をかけて潰しにかかっていますから、もし海外FX業社が日本向けの取引きを停止した場合、預け入れている資金は出金できない可能性があります。
できるとしても、裁判で争うという不毛な時間をかけることになります。
海外ですから余計に時間と費用がかかるでしょう。
まとめ
少ない資金から大きな利益をあげられる可能性があることは大きなメリットかもしれません。
しかし、FXをギャンブルではなく投資として運用していこうと考えているのであれば、
マイナスを繰り越しできない、稼いだら稼いだで税率が高い海外FX業社で
取引きをするのはデメリットが大きいといえるでしょう。