海外FXは税金面のデメリットばかりが目立ちますが
海外FX業者を使うデメリットといえば税金が有名ですね。
しかし、税金なんて勝てた場合だけ心配すれば良いことなので、海外FXをする人(ギャンブル的な思考の人)にとってはあまり重要視することではないかもしれません。
とはいえ、海外FXをする“リスク”は税金だけではありません。
それぞれリスクといえる点について掘り下げて解説してみたいと思います。
まずは冒頭に書いた「税金」について。
海外業者の場合は最高45% 国内の場合は20%
国内証券会社で取引きした場合は「申告分離課税」なので、利益に対する税率は一律20%(2013年以降は復興特別所得税がプラスされたので20.315%になりました)なのに対し、海外FX業者で得た利益の場合は雑所得に分類されるので最高で45%の税率が課せられてしまうというもの。
雑所得(総合課税)とは、収入のすべてを合算し、その収入額に応じて課税されるもの。
不動産所得、土地・建物、株式以外の譲渡所得、事業所得、給与所得、一時所得などが総合課税に分類されます。
以下が総合課税の金額別税率と控除額です。
合計額 | 税率 | 控除される金額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円〜330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円〜695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円〜900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円〜1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円〜4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
上記を見て気づいた方もおられると思いますが、海外FXだけで年間収入が695万円以下の利益の場合は国内業者の税率よりも低くなります。
国内業者で利益をあげた場合の分離課税税率は一律20%ですので、利益が695万円を超えない金額、少ない証拠金でFXをするのであれば海外業者を使うデメリットはないというか、ハイレバレッジでできることを加味すれば海外FXのほうが国内業者を使うよりも魅力的に感じるかもしれません。
損失の繰越ができない
国内業者の場合、マイナスを3年間繰り越すことができます。
例えば下記の例
1年目−100万円、2年目−100万円、3年目+200万円
この場合3年間でプラマイゼロなので税金はかかりません。
しかし、これが海外FXの場合は繰り越しがないので、プラスだったときにだけ課税されてマイナスは「残念でした」で終わりなのです。
国内業者でも負け続けたら関係ない話かもしれませんが、負け続ける前提でFXをしようと思っている方はいないと思いますので、この損失繰り越しできないという点は税率よりも大きなリスクと言えるかもしれません。
最も大きなリスクは配信レートの違い
海外業者を使ってFXをしたことがある方ならわかると思いますが、海外業者はすべて相対業者(飲み業者)なので、提示しているレートはその業者独自のレート、悪く言えば好きなようにいじることができます。
通常、FXとはインターバンクへ流れたユーザーのお金の量、買いと売りの比率によって買いが多ければレートが上昇して、売りが多ければ下降するものなので業者との利害関係は無く、業者はスプレッドなどの取引手数料を利益として運営しているものですが、相対業者の場合はユーザーのポジションはインターバンクには一切流れておらず、ユーザーが負ければ業者の利益、勝てば業者の損失ということになります。
そこで起こる事象がポジションを狩る行為。
一瞬だけレートが上下に大きく変動する動きのことをいいます。
多くのトレーダーはポジションを立てた際に損切り幅(逆指値)を設定してトレードしますが、取引きを受けている業者側は当然どこにストップがあるのか+どのくらいのポジションが溜まっているか、を把握しています。
レートが上昇すればロングポジションを保有しているユーザーの勝ち額が増えます。
そして、下落したならばショートポジションを保有しているユーザーの勝ち額が増えますよね。
どちらに動いてもユーザー同士で損益はゼロサムのように感じるかもしれませんが、一瞬だけ大きく上下にレートが振れた場合はどっちのポジションも逆指値やゼロカットになってしまうのです。
両方のポジションを狩ることができますから、業者は大きな利益を得ることができるわけですね。
悪質な業者はこのストップ刈りを頻繁にやりますので、もし海外FXをこれから始めてみたいと考えている方は注意して業者を選ぶようにしてください。
私は海外業者を使うのは反対なので業者名はここに書きませんが、大なり小なりどこも悪評はありますので調べてみてください。
業者が倒産した場合のリスク
国内業者の場合は会社が倒産した場合に提携銀行がユーザーのお金を保証する「信託保全」という制度がありますが、海外業者はこの制度が一切ありません。
いくら利益を出していようが預けている証拠金は無くなってしまいます。
出金拒否というリスク
不条理ともいえる理由でユーザーが出金を拒否される事例が少なくありません。
拒否理由のほとんどは「規約に違反した取引きで得た利益なので出金には応じられない」というもの。
裁判にまで発展した例もありますが、訴訟を起こすにも裁判で負けたらお金がかかりますし、なにより時間の無駄だといえるでしょう。
まとめ
海外FX業者の運営会社を調べてみるとわかりますがネットカジノの運営会社だったりします。
少ないお金で大きな利益を得られるハイレバトレードは魅力的かもしれませんが、その魅力よりも様々なリスクの方が目立つことがおわかりいただけると思います。